借金のリスクを防ぐ海外FX業者のゼロカットシステム
この記事では、海外FX業者だけが実施しているゼロカットという制度についての説明をしていきます。
ゼロカットというのは、海外FXだけに導入されている追証がゼロになるサービスで、ハイレバレッジを提供している海外FXにはなくてはならない制度です。
追証がゼロになるゼロカットは特に初心者と相性が良く、万が一の際にも借金になるリスクがないとして評判となっています。
では、なぜ海外FX業者はこのようなサービスをすることができるのでしょうか?
スイスフランショックや東日本大震災など、相場が大きく動く度に海外FX業者が追証を負担していたのでは業者は損しかしないように感じますね。
実はゼロカットは、トレーダーだけでなく業者側にもメリットがあって多くの海外FX業者が実施しているのです。
今回はそんなゼロカットや追証の仕組みとなぜ海外FX業者だけがゼロカットを実施しているのかという理由についても紹介していきます。
海外FX業者の「ゼロカット」と国内FX業者の「追証」の仕組みとは?

ここではまず、「追証(おいしょう)」と「ゼロカット」について解説していきます。
追証とは
追証とは口座残高がマイナスになってしまった場合に、FX業者がトレーダーに追加で入金を請求することを言います。
例えば100万円の口座資金で250万円の損失が出てしまった場合、差額の-150万円は追証となり、期限付きで追加入金しなければなりません。
しかもこの追証は、法的にカードローンの借金と同じ扱いになっているため、最悪のケースですと財産を売り払ってでも補填しなけれならない強制力があるのです。
ちなみに2015年に起きたスイスフランショックでは、一時的に相場が大きく変動し、その時トレードしていた投資家は数千万~数億円の借金を負うという事態になってしまいました。

こうした有事の際に役に立ったのは続いて解説するゼロカットでした。
ゼロカットとは
上記のスイスフランショックなどの大きな下落において、ゼロカットは絶大な効果を発揮します。
冒頭でも触れましたが、ゼロカットとは口座内資金以上の損失が出てしまった場合、その追証をゼロにしてくれる制度。
例えば、口座内に100万円の資金があった状態で250万円の損失が発生したとします。
国内FXではもちろん追証となりますから差額の150万円を補填する必要がありますが、ゼロカットを採用している海外FXでは150万円を業者が補填してくれるのです。

つまり実質の損失は口座内の資金分のみとなり、借金になることはないということになります。
海外FX業者「FXDD」は、公式サイトではゼロカットありと表記していたものの、実際に補填はせず、追証を請求したそうです。
その後公式における記述もなくなっており、一時様々な評判が飛び交っていました。
ふつうはゼロカットがどの業者も標準に機能しているため、追証を請求されることはないのだが、FXDDは2015年のスイスフランショックで利用者に追証を請求したらしい…
— ハルト0213 (@take210330) 2019年3月7日
一方FXDD以外の海外FXにおいてはそのような報告は受けていませんので、ゼロカットがしっかり執行されると信じてよいでしょう。
FXで儲かるためにはコツコツ利益を積み上げていくか、負けを少なくするかの2択。
特に勝ち続けていくトレーダーはこの世にいませんから、やはり負けを少なくするというのが近道でしょう。
負けを少なくするという意味では一回における損失を少なくするのも重要ですので、借金リスクがなくなるゼロカットは非常に有難いと言えますね。
ゼロカットが海外FXにしかない理由とは?

「海外FXにだけゼロカットがあって、なんで国内FXはどこもゼロカットを行っていないの?」
と疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
まず国内FX業者がゼロカットを行っていない理由は簡単で、ゼロカットが日本の法律で禁止されているからです。
日本では、金融商品取引法三十九条で証拠金取引で業者が補填することが禁止されています。
そのため、そもそも国内FX業者は全てゼロカットを行うことはでいないのです。
海外FXはそもそも日本の金融庁に登録をしておらず、他の海外の金融ライセンスにのっとって営業をしています。
なので海外FXは日本の金融庁による縛りがなく、ハイレバレッジもゼロカットも実現しているのです。
海外FXと金融庁の関係や安全性については以下の記事でまとめていますので気になる方は是非どうぞ。
ではなぜ海外FXはゼロカットとしてトレーダーの負担をしてくれるのでしょうか?
もちろん実質業者側にしてみればゼロカットはただの損失ですから、負担し続ければ業者が破綻してしまう可能性もありますね。
実際にスイスフランショックの際には、ゼロカットの負担によってアルパリUKという海外FX業者が経営破綻(参照:ザイスポFX!)となってしまいました。
このようにゼロカットというのは、海外FX業者にとってはリスクになってしまいます。そんなリスクを抱えたままなぜ海外FX業者はゼロカットを行っているのでしょうか?
これには、海外FX業者が採用しているNDD方式という取引方法が影響しています。
NDD方式とは、トレーダーの注文を直接インターバンクへ流す取引方法をいい、間にディーラーとして業者の仲介を挟みません。

このNDD方式における業者の利益は取引コストにあたる「スプレッド」。
つまり業者にとってはトレーダーが何度も何度も取引を繰り返してくれるほうが儲かるので、ゼロカットをしてでもトレーダーを守り、引き続き取引をしてもらいたいのです。
一方ゼロカットを採用していない国内FXはDD方式という取引方法を採用しています。
このDD方式とは、トレーダーとインターバンクの間に仲介としてディーラー(業者)を挟んでおり、注文を通すかどうかはディーラーの裁量となる取引方法。

DD方式における業者の利益は、スプレッドではなく「トレーダーの損失」。
つまりトレードの回数は関係なく大きく負けてくれればそれがそのまま利益になるので、異常に狭いスプレッドを提供し、ゼロカットも採用していないのです。

このような背景があり、海外FXしかゼロカットを採用していないのです。
やはり万が一の安全性だけでなく、取引の透明性なども考慮すると海外FXのほうが取引しやすい環境が整っているといえるでしょう。
ゼロカットが執行されるタイミングを業者ごとに一覧比較

さてここまで、ゼロカットや追証の仕組み、そして海外FXにしかない理由について紹介してきました。
次にここでは、実際にゼロカットがどのタイミングで執行されるのかについて、主要ブローカーでまとめてみました。
FX業者名 | ゼロカットの有無 | タイミング |
---|---|---|
![]() |
〇 | 次回入金時に執行 |
![]() |
〇 | 次回入金時に執行 |
![]() |
〇 | 平日ロールオーバー後 |
![]() |
〇 | 24時間以内に自動で執行 |
![]() |
〇 | 次回入金時に執行 |
![]() |
〇(審査あり) | サポートセンターに申請 |
![]() |
〇 | 3秒以内に自動リセット |
![]() |
〇 | 次回入金時に執行 |
![]() |
〇 | 次回入金時に執行 |
![]() |
〇 | 自動的にリセット |
基本的にどの業者もロスカットが条件なしに執行されますが、LAND-FXだけは審査が必要です。
原則、ゼロカットが執行されるはずですので、万が一の際にはしっかりサポートに申請してみることをおすすめします。
それでは実際に各海外FX業者においてどのような対応とタイミングなのか、詳細を見てみましょう。
XMのゼロカットについて

まずXMは公式サイトでゼロカットについて「マイナス残高リセットが適用される」と記述しています。↓

実際にスイスフランショックを含めた市場暴落の際にもXMはしっかりゼロカットを執行しており、ネットでも評判が書かれていました。
XMとかFXProとか、スイスフランショックで追証が出ても0にしてる実績があるわけですよ。
有言実行してるわけ、しかもお金にまつわることで。
こういう埋められない差を目の当たりにするとどうなんだろうと思うな。— Mr.K (@MrK_FXAT) 2016年1月9日
他にも、実際にXMにゼロカットのタイミングや有無など、詳細を問い合わせてみました。
ゼロカットシステムはお客様が次にご入金なさる時に自動的にリセットする運用となっております。
同一口座の別ポジションに関してはロスカットされるのでしょうか?
はい。同一口座内のポジションに関しましては全てロスカットさせて頂きます。
ちなみに別口座で違う通貨ペアで取引をしていた場合、そちらへの影響はどうなるのでしょうか?
いえ、そちらへの影響がございません。両建てでない限りは原則、通常通りとなっております。
XMはやはり次に入金されたタイミングでマイナス残高が自動的にリセットされるそうです。また、同一口座内のポジションにつきましてはロスカットされるものの、別口座であれば影響はないそうです。

TITANFXのゼロカットについて

TITANFXの公式サイトでは追証なし/リクオートなしと記載されており、実際にスイスフランショックの際にもしっかりゼロカットは執行されていました。

TITANFXについてもリアルタイムチャットで問い合わせてみました。
御社におけるゼロカットの執行タイミングはいつでしょうか?
ゼロカットが行われるタイミングにつきましては、翌日のロールオーバー明けでございます。
ただし、弊社が不正行為であると判断した場合やゼロカットシステムを悪用した取引などは、対象外とさせていただいております。
なるほど。ちなみにゼロカットの対象がユーザー単位から口座単位へ変わったと見受けましたが、本当でしょうか?
はい。2019年3月11日よりゼロカットシステムのルールが変更され、お客様(ユーザー)単位から各口座単位に変更させて頂いております。
TITANFXはゼロカットのシステムが3月11日より変更されており、上記にありますように口座単位でゼロカットが執行されるようになっています。
以前まではユーザー単位でゼロカットが執行されていたので、ある口座でゼロカットが執行されると別口座のポジションも全てロスカットされていましたが、現在はそちらの心配がなくなったそうです。

ここまでのまとめ

海外FX業者の多くが実施している「ゼロカット」については理解していただけたでしょうか?
国内FXでは金融庁の規制や取引方式の点から追証が発生してしまいますが、海外FXならゼロカットによって借金のリスクはゼロ。
ハイレバが使える海外FXでは最強の組み合わせだと言えるでしょう。
そんなゼロカットを搭載した海外FXの中でも特におすすめを紹介している記事もありますので、宜しければそちらもどうぞ。
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御社におけるゼロカットの執行タイミングはいつでしょうか?